2023年4月に世界人口1位となったインドは、今後も高い経済成長が期待できると考えられます。
そんなインドですが、株式市場を代表する指標としては、「Nifty50」と「SENSEX」があります。
私も今まで何となくでしか理解していなかったため、改めてこの2大指数を理解すべく、記事化しておきたいと思います。
この記事が、インド投資のご参考になれば嬉しいです。
目次
インドNifty50指数とは
「Nifty50指数」は、インドの「国立証券取引所(ナショナル証券取引所/NSE)」に上場している、同国を代表する主要50銘柄で構成される株価指数です。
1995年11月3日を基準日とし、その日の指数値を1000として、インドルピー建てで算出されます。
指数は、「浮動株調整済時価総額加重平均方式」で算出され、半年ごとに定期的に採用銘柄の入れ替えが行われます。
Nifty50指数 構成銘柄 上位10位
構成銘柄は、以下のようになります(2024年3月末時点)。
順位 | 銘柄名 | 業種 | 構成比率 |
---|---|---|---|
1 | HDFC銀行(HDFC Bank) | 金融 | 11.1% |
2 | リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries) | エネルギー | 10.2% |
3 | ICICI銀行(ICICI Bank) | 金融 | 7.8% |
4 | インフォシス(Infosys) | 情報技術 | 5.4% |
5 | ラーセン&トゥブロ(Larsen & Toubro/L&T) | 資本財・サービス | 4.5% |
6 | タタ・コンサルタンシー・サービシズ(Tata Consultancy Services/TCS) | 情報技術 | 4.0% |
7 | ITC | 生活必需品 | 3.9% |
8 | バーティ・エアテル(Bharti Airtel) | コミュニケーション・サービス | 3.3% |
9 | アクシス銀行(Axis Bank) | 金融 | 3.0% |
10 | インドステイト銀行(State Bank of India) | 金融 | 2.9% |
SENSEX指数とは
インドのムンバイにある「ボンベイ証券取引所(BSE:Bombay Stock Exchange)」に上場している、同国を代表する主要30銘柄で構成される、「浮動株調整済時価総額加重平均方式」の株価指数のこと。
インドを代表する株価指数で、1979年4月3日を基準日とし、その日の時価総額を基準値100として算出されます。
「BSE Sensex」(Bombay Stock Exchange Sensitive Index)とも呼ばれます。
SENSEX指数 構成銘柄 上位10位
構成銘柄は、以下のようになります(2024年6月27日時点)。
順位 | 銘柄名 | 業種 | 構成比率 |
---|---|---|---|
1 | HDFC銀行(HDFC Bank) | 金融 | 14.1% |
2 | リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries) | エネルギー | 11.40% |
3 | ICICI銀行(ICICI Bank) | 金融 | 9.43% |
4 | インフォシス(Infosys) | 情報技術 | 6.25% |
5 | ラーセン&トゥブロ(Larsen & Toubro/L&T) | 資本財・サービス | 4.58% |
6 | タタ・コンサルタンシー・サービシズ(Tata Consultancy Services/TCS) | 情報技術 | 4.40% |
7 | ITC | 生活必需品 | 4.34% |
8 | バーティ・エアテル(Bharti Airtel) | コミュニケーション・サービス | 4.33% |
9 | アクシス銀行(Axis Bank) | 金融 | 3.65% |
10 | インドステイト銀行(State Bank of India) | 金融 | 3.61% |
2つの指数の比較
続いて、2つの指数を表で比較していきましょう。
– | Nifty50 | SENSEX |
---|---|---|
正式名称 | National Stock Exchange Fifty | Sensitive Index |
構成銘柄数 | NSE上場銘柄 約1600社のうち50銘柄 | BSE上場銘柄 約5000社のうち30銘柄 |
算出方法 | 浮動株調整後 時価総額加重平均方式 |
浮動株調整後 時価総額加重平均方式 |
基準年 | 1995年11月3日 | 1979年4月3日 |
セクター数 | 14 | 9 |
取引所 | インド国立証券取引所 (NSE) | ボンベイ証券取引所 (BSE) |
リバランス頻度 | 半年(3・9月) | 半年(6・12月) |
上位10企業指数ウエイト | 56.1% | 66.09% |
パフォーマンス比較 | Niftyは近年Sensexを上回るパフォーマンス | 歴史的には、SensexはNiftyを上回るパフォーマンス |
歴史
SENSEXは1986年に導入された古い指標であり、インド株式市場の象徴的な指数と言えます。
対してNifty50は比較的新しく、1996年に導入された指数です。現在では、どちらも重要な指標とされています。
伝統的なSENSEXと、新しいNifty50って感じだね。
構成銘柄数
Nifty50は50社で構成されているのに対し、SENSEXは30社で構成されています。
普通に考えれば、Nifty50の方が構成銘柄(企業)が多いため、より広く分散が効いていると考えて良さそうですよね。
ただし、実際にはNifty50のNSEには約1,600社が上場しており、その中から50銘柄が採用されているのに対し、SENSEXのBSEには約5,000社が上場しており、その中から30社が採用されています。
このことを考慮すると、単純にSENSEXがNifty50よりも分散が効いていない、とも言えない点には注意が必要です。
また、人気銘柄はどちらにも上場しており、リバランスの基準もほぼ同じ。どちらもある程度インド全体の大型株をカバーしていると考えて良いです。
パフォーマンスの比較
肝心のパフォーマンスを見ていきます。
– | 年初来 | 1年間 | 5年間 | 10年間 | 30年間 |
---|---|---|---|---|---|
Nifty50 | 5.99% | 9.75% | 64.84% | 246.87% | 1451.64% |
SENSEX | 5.80% | 10.32% | 67.76% | 243.28% | 1528.99% |
上記で見てきた2つの指数の構成銘柄ランキングでは、構成比率こそ多少異なるものの、上位10位の銘柄はまったく同じでした。
実際過去のパフォーマンスを比較しても、Nifty50とSENSEXは似たような動きを示すことは多いです。
ただ、30年間で比較すると、Nifty50よりもSENSEXのほうが77.35%高いパフォーマンスを示している点には注目です。
2つの指数への投資方法は?
Nifty50とSENSEXに連動するETFや投資信託は多く存在し、これらを通じてインド株に投資することが可能です。
近年は日本でも投資環境が整ってきており、信託報酬も0.3%台〜1%程度と、現実的に長期保有しやすいような水準になってきています。
投資信託
銘柄名 | 信託報酬(税込) | ベンチマーク指数 |
---|---|---|
eMAXIS インド株式インデックス | 0.44% | Nifty50指数 |
楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド | 0.308% | Nifty50指数 |
SBI-SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド(愛称:サクっとインド株式) | 0.4638% | S&P BSE SENSEX指数 |
ETF
銘柄名 | 信託報酬(税込) | ベンチマーク指数 |
---|---|---|
iシェアーズ Nifty 50 インド株 ETF(201A) | 0.385% | Nifty50指数 |
NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信(1678) | 1.045% | Nifty50指数 |
※S&P BSE SENSEXは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによって管理されているため、国際的な投資家に対してより信頼性の高い指数として認識されています。BSE SENSEXはインド国内で一般的に使用される名称ですが、S&P BSE SENSEXはグローバルな文脈で使用されることが多いと言われます。
まとめ
この記事では、インドの2大インデックス指数を見てきました。
インド企業や指数のことがちょっと分かった気がする。
どちらに投資しても、これからのインドの経済成長の恩恵を受けられる可能性が高く、魅力的な投資先(指数)と言えるのではないでしょうか。
また、SENSEXに投資できる銘柄は多くはないため、日本からの投資であれば、Nifty 50に投資することが、現実的な選択肢となりそうです。
- eMAXIS インド株式インデックス
- 楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド
- NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信
私も上記の3つは保有していますが、順調に上昇中で、これからが非常に楽しみです…!
この記事がご参考いただければ嬉しいです。
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